先に結論だけ:月額の運用代行費用は、ほぼ出ません
SNS運用代行に補助金を使えないか、という相談をよく受けます。先に答えると、継続的な運用代行の月額費用を対象にする補助金は、ほぼありません。補助金は「設備やツールの導入」「新しい販路を作る取り組み」「人材育成」に出るもので、「毎月の外注費」には出にくい仕組みです。
使える可能性があるのは、動画や写真の制作費、公式LINEなどツールの導入費、自社スタッフへの研修費です。
主な補助金と対象範囲
| 制度 | SNS運用の月額 | 動画・写真の制作費 | ツール導入 | 研修費 |
|---|---|---|---|---|
| IT導入補助金 | 対象外 | 対象外 | 登録されたITツールのみ対象 | 対象外 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 原則対象外 | ウェブサイト関連費として可能性あり(上限あり) | ウェブサイト関連費として一部可能性あり | 対象外 |
| 人材開発支援助成金 | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 要件を満たす研修なら可能性あり |
| 自治体の独自補助(販路開拓・DX系) | 自治体による | 自治体による | 自治体による | 自治体による |
各制度とも公募回ごとに要件・上限・対象経費が変わります。ここに書いた内容は考え方の整理で、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
IT導入補助金
対象はあらかじめ登録されたITツール(ソフトウェア、クラウドサービス)の導入費です。SNS運用代行は役務なので対象外です。公式LINEの拡張ツールや予約システムなど、登録済みのツールを一緒に入れる場合は、その部分だけ対象になる可能性があります。
小規模事業者持続化補助金
販路開拓のための取り組みに出る補助金です。SNSやウェブで使う動画の制作費、SNS広告の出稿費は「ウェブサイト関連費」の枠に入ります(チラシや看板は「広報費」ですが、ウェブ用の動画は広報費には入りません)。
一方で、継続的な運用代行の月額は「販路開拓の取り組み」というより「通常の経費」と見なされ、対象外になりやすいです。また、ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の4分の1(最大50万円)が上限で、単独では申請できません。
使うなら、「初期の動画制作〇本」のように、期間と成果物を区切った制作費として申請する形が現実的です。
人材開発支援助成金
自社スタッフに研修を受けさせる場合の助成です。SNSの撮影や編集を社内でできるようにするための研修は、要件を満たせば対象になる可能性があります。ただし訓練時間、実施機関、計画届の提出など条件が細かいので、社労士に確認してください。
弊社の単発レクチャーをこの枠で使えるかは、研修の形式と時間によります。ご相談時に確認します。
自治体の補助
大阪府・大阪市をはじめ、自治体ごとに販路開拓やDXの名目で独自の補助制度があります。年度ごとに変わるので、商工会議所や自治体の中小企業支援窓口に「SNSを使った販路開拓」と伝えて聞くのが早いです。
補助金を使うときの注意
- 交付決定を受けてから契約する。採択の連絡と交付決定は別です。交付決定の前に契約・支払いをすると対象外になる制度が多いです
- 入金は後です。事業完了後の精算払いなので、一度は自己資金で払います
- 申請の手間がかかります。事業計画書、見積書、実績報告。数十時間かかることも珍しくありません
- 補助金ありきで始めない。補助金の採択率は制度によって3〜6割程度です。落ちたらやめる、という前提だと運用も中途半端になります
補助金で受け取った金額の会計処理は勘定科目の記事に書きました。